ちりあくたのつぶやき

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ドラマ『九条の大罪』1話感想・解説|原作との違いは?烏丸(松村北斗)の役割と「ぬるい」改変の賛否(※この記事はネタバレありです!)

 ※この記事はネタバレありです!

 

 真鍋昌平原作漫画を、Netflixがまさかのドラマ化。主演柳楽優弥。

チャッピー君、漢字が違うのですが…

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原作と比較した、烏丸の役割の変化

 この記事では第1話「片足の値段」を原作と比較して解説します。

 

 まず、九条の元で働く「イソベン(居候の弁護士)」烏丸真司(松村北斗)だけど、原作では既に九条の事務所で働いているのですが、ドラマ版では九条に会うという形になっている。

 

 つまりここは烏丸は視聴者であり、彼の眼を通して作品世界に入っていくという訳。法律の解説役も烏丸が務めているのはわかりやすい。

レギュラーメンバーとこの事件の加害者の登場

 で、事件が起きて反グレのリーダー壬生憲剛(町田啓太)が九条に依頼して来る箇所は同じなんだけど、原作では加害者が人を轢いてしまった恐怖で打ち震えているのに対して、「あー、やっちゃったー、どうししょうかなー。あ、そうだ!壬生君にお願いしよう」くらいの、本当にどうしようもないキャラクター造形になっているのはいい(ヒドイけど)

九条の本領発揮

 そしてここからが九条の本領発揮のシーンで、彼は「とにかく20日間完黙するように」と告げ、「依頼人の人権を守るために」全力を尽くして彼を執行猶予つきの禁固刑、つまり実質的な無罪を勝ち取る。

視聴者に対する告知と「教育」

 この第1話でこれからはっきりと、どういう話をしていくのかを明確に示している。寓意は「法律なんて所詮人の作り上げたもので、いくらでも抜け道があり、不条理や理不尽は決して無くなりはしない」というもの。

 

 それを、こちらに疑似体験させ痛みを与え、現実に対する認識を変容させるという「教育」を読者は受ける訳だ。

有罪か無罪のグレーゾーン、「陪審員2番」

 たしかに、飲酒運転による危険運転致死なんだけど、事件現場を調べると二人の被害者(父と息子)のうち、父親の方は実は心臓に疾患があった為に心臓発作で倒れ、その後で車が可能性がある。ここの「心臓疾患のグレーゾーンが被害者の死亡原因になる可能性を巡る法廷議論」というグレーゾーンに関しては、クリント・イーストウッド監督の傑作「陪審員2番」でも似たような言及がされている。

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原作の改悪(だと私は思っているぬるい描写)

 原作と違って、はっきり言ってぬるい改変箇所が後半にあり、轢き逃げで生き残った息子(片足を切断されている!)と母親に対して、NPO法人のソーシャルワーカー薬師前仁美(池田エライザ)が九条から母子に保険の再申請をするように取り計らう箇所。

 

 この救済描写は、原作が持っていた“観る側を突き放す冷酷さ”を弱めてしまっているため、テーマの鋭さを損ねているように感じる。もっと見る物を突き放していいと思いましたね。母親は原作では涙を流すシーンは見せず、憔悴と怒り・悔しさ・無念と悲しみが混じった様ななんとも形容しがたい表情で終わった方がよかった。

 

 おそらくは原作の突き放す冷酷さを弱め、視聴者への感情的救済を優先した判断なのでしょうけど、せっかく地上波ではなくNetflixで配信するのだから、こちらの背筋を凍らせたままでよかったかなと。

柳楽優弥の完璧な演技

 九条役の柳楽優弥は完璧に仕事をこなしていました。彼が画面のこちらに向かって冷笑や挑発的な言動とかしたらどうしようかと思っていましたが、そんなことはなく淡々と九条を演じ切り、九条というキャラクターを完全に理解しているのがわかる。

 

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映画『ワーキングマン』ネタバレ感想:ステイサム×デヴィッド・エアー再び!『ビーキーパー』との違いとツッコミどころを徹底解説

 ※この記事はネタバレありです!

 

 ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画です。チャック・ディクソンの小説「Levon's Trade」を原作としており、監督は「ビーキーパー」に引き続きデヴィッド・エアー。脚本がなんとデヴィッド・エアーとシルヴェスター・スタローンの共同脚本。

plusにアップグレードしたgeminiに描いてもらいました。肖像権大丈夫らしいです。

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ワーキングマン

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  • ジェイソン・ステイサム
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 お話の構成はシンプルだ。元特殊部隊にいたが、今は工事現場の監督をしている主人公レヴォン・ケイド(ジェイソン・ステイサム)が、世話になっている人物(この場合レヴォンが務めている会社の社長)が困った状況に置かれている(娘をさらわれているから助けて欲しい)のを、レヴォンが解決する。

 

 そこにレヴォンが義父と娘の親権を巡って係争中でお金に困っているというシチュエーションをスパイスとしてまぶしているだけで、構成がほとんど「ビーキーパー」と一緒だったりはする。

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 ロッテントマトスコアは批評家71%と少々低いですが、ポップコーンメーター(観客評価)は92%で、続編も決定している。

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 もちろん、こういった「もし元特殊部隊にいたという設定の、ジェイソン・ステイサムが主人公でこういうシチュエーションだったら?」というお話を楽しみに来ている観客には「こういうのでいいんだよ(ゴローちゃん)」な訳で、作り手と受け手がある種の共犯関係にはある。私もその一人だ!

 

 監督が「ビーキーパー」と同じデヴィッド・エアーなので、比較すると面白いかも。まず、「ビーキーパー」と違う点は結構主人公のプロフィール紹介が序盤にちゃんと描かれていて、まあまあ共感できるキャラクター造形にはなっている。

 

 彼は娘の親権と社長から娘を助けてもらうように懇願されているという「困った状況にある(追い詰められている)」そして「殻を破る」ここでの「殻」は「娘の親権が失うのでは無いかという思い込みと、社長の娘が見つからないのではという思い込み」で、「反転攻勢」が社長の娘ジェニー・ガルシア(アリアンナ・リヴァス)の捜索とその見返りとして、お金をもらうことで親権を巡る裁判の費用を得る事。

 

 ここまでで映画の経過時間が20分しかなくて、後は延々と「反転攻勢」の部分だったりする。まあ、いわゆる「ナーメテーター(舐めてた相手が実は殺人マシーンもの)」の系譜ではある。

 

 こういうタイプのアクション映画は好物ではあるのですが、だからこそのツッコミどころが何か所もあって、そういうのもこの手のジャンル映画の楽しみだと思っているので、以下はそれを列挙します。

 

 まず、「ワーキングマン」というタイトルが回収出来ていないというか、工事現場に勤めているのだから、工事現場の工具を武器にして戦うみたいな工夫が欲しかったです。同じナーメテーター作品であれば、デンゼル・ワシントン主演の「イコライザー」なんかはその点ホームセンターの商品を使ってあんなことやこんなことをして楽しませてくれました。

イコライザー

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  • Denzel Washington
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 それと、敵側の登場人物が多過ぎて話が散漫になっている印象は拭えませんでした。ダーニャ・ハルチェンコ(グレッグ・コルパクチ)とヴァンコ・ハルチェンコ(ピョートル・ヴィトコフスキ)や、バイカーギャングの親分で元空挺部隊兵士ダッチ(チディ・アジュフォ)、ロシアン・マフィアの幹部で通称「ディミ(マクシミリアン・オシンスキー)」、ディミの父親で通称「ウォロ」、ディミが取り仕切っている人身売買の顧客ミスター・ブロワード( ケネス・コラード)等、ざっと挙げただけでもこれだけいる。

 中盤過ぎから敵のロシアン・マフィア側を「共感出来ない主人公」に設定し、殻(レヴォンにやられてしまうのでは無いかという思い込み)を破る為に反転攻勢(屋敷で待ち伏せして最終決戦する)も思惑が外れるという風に見ることもできましたね。

 

 最終決戦で、元兵士という共通点だからか、ダッチとだけはある意味でコミュニケーションが取れる。キッチリと殺してしまうんですけどね。

 

 もちろん最後は無事にジェニーは助け出されるし、彼女も噛みついて反撃したり途中逃走に成功仕掛けたり、逆襲してリベンジしたりしているので、ただの受け身なキャラクターでは無いのはいいと思います。

 

 事件が解決して数分間ではあるけど、「打ち上げ」のシーンもきっちりと描かれているのは良かったと思います。

 

 興行収入を調べて見ると、「ビーキーパー(興行収入$162,619,535)」と同額の制作費にも関わらず、2.45倍しか稼げていない(通常制作費の3倍の興行収入で成功とされている)ので、今回の4/17からの配信でなんとかしたいところなのでしょう。

 

 ロッテントマトスコアは批評家47%(!)、観客評価が87%なのが救い。

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 今作正直私的には微妙ではありますが、ジェイソン・ステイサムが「80年代筋肉バカアクション」の最後の継承者だと思っているので、今度は彼の様なテイストを若い世代が継承してもらい、ジャンクフードやスナック菓子をパクつきながら見る映画を量産して欲しいとは思っています。

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ザ・ボーイズ ファイナルシーズン 第1・2話感想(ネタバレ)|Aトレインがようやくヒーローになった瞬間と現実の全体主義

 ※この記事はネタバレありです!

 

 4/8から配信が開始されたファイナルシーズン。今のところ配信されているのはエピソードは2まで。ファイナルなので、風呂敷を包みに来ている感があります。

The Boys Season 4, Episode 7 Kicks Off the Season's Explosive Endgame

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 現実の醜悪な部分を戯画化し、誇張した本作。2019年からファーストシーズンが始まり、今年にこのファイナルシーズンが始まりましたが、ご存じの様に現実世界そのものがまるで何かの悪夢を見ているかのような状況になってしまいました。

 

 起きていることそれ自体は歴史の繰り返し(トートロジー)で、第二次世界大戦後80年も続いてしまった平和という「異常な状態」によって「認知が歪んでしまった」我々には異常に見えるだけではある。実はこの現状こそが世界のデフォルトで、ドナルド・トランプや高市早苗の出現によってそれが暴露されただけ。もちろん当の本人たちはそんなことを自覚的にやっている訳では無いのですが…

 

 このファイナルシーズンは、どちらかというと現実をなぞっている感があり、アメリカが全体主義的な国家になってしまっているのも、ファーストシーズンでホームランダーが行った凶行が暴かれても、フェイク動画であるとされ本人に大したダメージを与えていないのも現実の写し絵。

 

 これが、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「バトルランナー(古ッ!)」であれば違ったのでしょうけど。

 この2つのエピソードでいいシーンはAトレインが本当にようやく最後でヒーローになったところでしょう。前のシーズンで人を助け、それによって満たされることを知るんだけど、それまでに彼はあまりにも人として劣化した振る舞いを続け、その両手は血でベッタリ汚れている。

 

 でも、本当に最後にホームランダーに向かって「お前は力が強いだけで中身はからっぽだ!」としっかりと目を見てホームランダーを罵りながら殺される。まさか彼に痺れる日が来ようとは!

 

 このシーン、「ジョジョの奇妙な冒険第4部ダイヤモンドは砕けない」で、広瀬康一が今にも死にそうなのにまったく臆することなく殺人鬼である吉良吉影に対峙したシーンが重なりましたね。

 

 正直、現実のえげつなさによって作品のパワーは減衰していると言わざるを得ませんが、最後まで見届けます。

Netflix映画「猛襲」ネタバレ感想|ハリケーン+サメのサバイバルスリラーは「クロール -凶暴領域-」に勝てず?

 ※この記事はネタバレありです!

 

 Netflixで配信されている、サバイバルスリラー映画です。監督は「処刑山 -デッド・スノウ」のトミー・ウィルコラ。

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災害パニックとモンスターパニックものであるという予告

 災害パニックものは、襲い来る災害によって登場人物を追い詰めることで物語の推進力(ここでは「観客をハラハラドキドキさせる力」とでも言いましょうか)が増す訳だけれども、公式の予告の時点で「海辺の町を飲み込む凄まじいハリケーン。高潮によって破壊され混乱に陥った町を襲うさらなる脅威―それは血に飢えたサメだった。」等と告知してしまっている。最初は期待していたんですけどね。

物語の軸は2つ

 物語の軸は2つ。まず、母親を亡くしたことが原因なのか、不安障害を抱えているダコタ・エドワーズ(ホイットニー・ピーク)が、ハリケーンの接近が迫っている街に取り残されるというか、災害の規模を侮っていた為に自宅に閉じこもるを得ない状況になっている。

 

 そこに、彼氏に逃げられた、食肉工場に勤めている妊婦のリサ・フィールズ(フィービー・ダイネヴァー)の話が絡んでくる。

 

 2つ目の軸は、ダメな養父母に冷遇されている3人兄弟「ディー・ロン・ウィル(アリラ・ブラウン、ステイシー・クラウセン、ダンテ・ウバルディ)」のエピソード。

 

 この養父母だけど、壁に銃が数丁掛けられているので、「トレマーズ」のガンマニア夫妻を思い出す人もいるでしょう。

トレマーズ (字幕版)

トレマーズ (字幕版)

  • ケヴィン・ベーコン
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尺が短いが故の「話が早くて助かる」展開

 上映時間がエンドロールを除くと1時間20分くらいしか無いので、とにかく「話が早くて助かる」展開になる。まず、ハリケーンによって堤防が決壊し、津波が遅いその影響で食肉のミンチを詰め込んでいるタンクローリーのタンクが破裂して肉が水中に飛散。その血の臭いを嗅ぎ付けてサメがやって来る。

 

 ダコタがリサと合流する前も非常にわかりやすく追い詰められていて、リサが車の中に閉じ込められ、シートベルトが外れなくなる。いわゆる「カモォーン!(外れてよ!)」状態。で、それを発見「してしまった」ダコタが自身の不安障害という「殻を破る」シーンになるんだけど、こんなことでメンタルが復調するのか非常に怪しいシーン。

 

 3兄弟の話になると、家に閉じこもっていれば安心だという養父母は案の定襲われてモグモグされる。もちろんここは観客の共感を呼ばないキャラクターをヒドイ感じで殺してしまうことでカタルシスを与えるシーンなんだけど、観客サービスとして機能している部分もあるが、雑に感じました。

 

 3兄弟の話は、普通地下室に銃が掛けられているのを映している以上、「チェーホフの銃(画面に出る物は意味があって映している)」にのっとればその銃でサメを攻撃しそうなものだけど、それをしないのはいかがなものかと。

 

 で、ダコタとリサの話に戻すけど、リサが妊娠していて今にも生まれそうなのはもちろん物語の推進力を増すためなんだけど、本当にもうそれだけの理由でリサを妊婦と言う設定にしている様にしか見えない。

 

 もちろん最後には2つの物語のキャラクター達はそれぞれ「反転攻勢」をして、事態は収束し、めでたしめでたしで物語は終わる。

同じシチュエーションと上映時間の傑作「クロール -凶暴領域-」との比較

 見ている間じゅう、同じ要素を持った映画、災害パニックとモンスターパニックを併せ持ち、そこに登場人物の関係の変化と主人公の過去の清算までを描き切り、さらにほとんど同じ上映時間でそれをやってのけた「クロール -凶暴領域-(原題:Crawl)」とどうしても比べてしまうんですよね。

 「クロール -凶暴領域-」のロッテントマトスコアが現時点で批評家84%、観客評価75%。対する本作は現時点では批評家のみ(観客評価はまだ50件未満)ですが40%しかないところから見ても本作は失敗していると見做さざるを得ませんね。4/10の週末に配信されているのに見てもらえてすらいないのはかなりまずい。

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 B級のサメ映画好きなら気軽に楽しめるが、「クロール」クラスの内容を期待すると肩透かしを食らうかも。

 

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映画「スペースバンパイア」感想|Amazonプライムで吹替追加!カルト映画の魅力を解説【ネタバレ】

 ※この記事はネタバレありです!

 

 なんかXの一部界隈で、「あのスペースバンパイアがAmazonプライムビデオで配信されているが、日本語字幕も吹替えも無い!」と騒いでいるので視聴。そういえば日曜洋画劇場で何度もコスられていたなくらいの記憶しかありませんが。

※5月現在、当初は字幕も吹替もなく一部で騒がれていた「スペースバンパイア」ですが、いつの間にか吹替が追加されていました。

geminiにサムネイル画像を描いてもらいましたが、なんか漢字がおかしい…

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スペースバンパイア

スペースバンパイア

  • スティーヴ・レイルズバック
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 なんか冒頭調査の任務を帯びた宇宙船がある宇宙船に侵入したら、そこにはなんと怪物がいました!展開まんま「エイリアン」やないかい!と思って調べたら脚本が「エイリアン」のダン・オバノンだから当たり前と言えば当たり前。

 

 「エイリアン」と違うのは、この異星人達(バンパイア)が地球に降り立ってしまうところ。もちろんこいつらによってとんでもないことにはなる。何故かロンドンだけがw

 

 まあバンパイア達が運ばれたのがロンドンだからだし、なにしろ映画の尺が1時間40分しかない。エンドロール5分を引くと1時間35分以内で話の決着をつけなくてはならないので、「話が早くて助かる」みたいにならざるを得ないのは理解できます。

 

 そして、本作のウリのひとつであろう「官能」ですが、マチルダ・メイさんがそこを一手に引き受けています。正直ここまで頑張ってくれたのだから報われて欲しいですが。男形のバンパイアも出て来ますが、イケメン揃いで淀川長治さんは内心どう思ってみていたのでしょうね。

 

 本作のウリその2ですが、バンパイアに生気を吸い取られた人間が今度はバンパイアになる特撮。1980年代における特殊メイクの一流の仕事が堪能できます。

 

 そこで気になったシーンがあって、バンパイアになってしまった人間をストレッチャーに乗せて拘束しているんだけど、なんか検査みたいなことをするシーンがまんま1985年のゾンビ映画「バタリアン」に酷似していてここでもまたダン・オバノン関連というか。まさかあのバンパイア「オバンバ」の流用じゃないよね?

 

 「バタリアン」も現在、Amazonプライムビデオで配信されています。未見の方はもちろん、本記事を読んで再確認したくなった方もぜひチェックしてみてください(2026年5月時点の情報です)

バタリアン

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  • Clu Gulager
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  「ブレイーン!(脳みそをくれー!)」

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 もうひとつのウリは音楽。ヘンリー・マンシーニさんという方が担当しているのですが、この方「ティファニーで朝食を」等を手掛けている巨匠なんですよ!アカデミー賞もゴールデングローブ賞も受賞しているのに、なんでこんな妙ちくりんな映画の音楽を担当しているんだろう?

 

 どうもこの作品の魅力は、過剰なまでに詰め込んだネタを、一流の職人達が関わることによって引き起こされるパワーにあるみたいです。原題がなにせ「Lifeforce(生命力)ですからね。

 

 ですがというか、本作の評価は厳しくて、ロッテントマトスコアは批評家58%、観客評価46%と芳しくない。やはり一部の「好事家」にしか刺さらなかったんでしょうね。興行収入もさんざんだったみたいですし。

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著:宮台真司「宮台式人類学 ー前提を遡る思考」感想

 この著者には同意したり反発したりしながら結構その著作を読んで来ました。私の映画を見る際には著者の言う、「ギリシャ的結末か、セム族的結末か、物語は大きくこのふたつに分けられる」という発言が大きな影響を与えています。

 序盤(第1講)で著者は「この講義(著作)では煉瓦積み上げ方式を使いません、各論点に戻って螺旋的に上書きを重ねる方式を使います」と宣言している様に、もうここから私的には難解です。

 

 本の内容は、著者がいつもビデオニュースや別の動画等でしゃべっている部分と、テキストにしないととてもじゃないが分かりづらい学術的な部分で構成されている。そこに奥野克己さんという、著者とほぼ同い年の人類学者がその都度解説や補足、まとめをしてくれているので助かりますね。

 

 私がポイントと思っているのは3か所あって、ひとつはリベラリズムが自爆した理由の解説。たしかに「正しさマウント」にモヤモヤしていた私には腑に落ちました。しかもリチャード・ローティという人が「アメリカ未完のプロジェクト」において既に指摘されていたというのがまた…

 

 このリベラリズムへの痛烈な批判ですけど、日本のある有名な学者を3回も取り上げて馬鹿にすらしている。名前はここでは出しませんけど、たしかにその人のエリート意識故の「地に足のついて無さ」は問題だなと私も感じていたので納得。

 

 2つ目は、身体性に戻れという箇所。これに関しては難しい言葉を使ってはいますが、非常にオーソドックスな文明批評ではないかなと。

 

 そして、新反動主義者ピーター・ティールが掲げている「テックによる統治」の脆弱性に対する論理的な解説があるところ。ここもSFではベタな感じはしました。要するに「人が神の真似事なんかしても、所詮は人だよ」だと感じましたね。

 

 最後に、Amazonのレビューでこの著作がかなりの長文で「著者の理詰めのアジテーションだ」と、いたらない箇所を指摘されていて、非常に健全だなと思いました。これがリチャード・ローティ言うところの「アイロニー」なのではないかと思い、つまりこの著作が出版されたのは成功だったのだと。

 

 私からも何点か指摘がありまして、ちょっと誤字が多いのではないかと。それと、基本理詰めの著者が気に入らない考えに対して「厨二」だと切って捨てるところ。あと、「あとがき」で出て来る「実例」なんだけど、これは映画「アフター・ザ・ハント」という「フィクション」そのままを実例として挙げていて、あの映画は複数の実在の性的不祥事や大学でのハラスメント対応事例から着想を得たのであって厳密に言えば実例ではない。

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 ここは「複数の実在の性的不祥事や大学でのハラスメント対応事例から着想を得た映画『アフター・ザ・ハント』によれば」という使い方が正しいと言わざるを得ません。

 

 なんか今回少々口早にしゃべっているのをそのままテキストに起こした様な箇所が散見されます。

 

 著者の「コミュニタリアリズム(共同体主義)」ですが、現時点ではまだ刺さらないと思います。「そういう道もあるぞ」と、種を蒔いているのだとは感じますけど。でもこれって結局著者が援交ブームで警察に呼ばれた時に警察が吐き捨てた「今は女子高生たちが好き勝手やっているように見えるが、ひとたび焼け野原(有事やカタストロフ)になれば、彼女たちも規律に従い、みんなと一緒に協力して動くようになる」と言った内容を共同体に縮小してハイブロウにしているだけなのでは?と突っ込まざるを得ません。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』ネタバレ感想|クリス・プラット主演なのに予測可能でツッコミどころ満載の残念SFスリラー

 ※この記事はネタバレありです!

 

 結論から言うと、本作は「設定は面白いが脚本が弱い」タイプの作品です!

 

 クリス・プラット主演の近未来SFアクションスリラー映画。監督はティムール・ベクマンベトフ。

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やる気の無いあらすじ紹介

 あらすじは、Amazonプライムビデオに貼ってある文章をまんま貼り付けますね。

<あらすじ>

 近未来の世界。ある刑事(クリス・プラット)が、妻を殺害した容疑で裁判にかけられる。判決を下すのは、彼が導入を支持した高度なAI裁判官(レベッカ・ファーガソン)。90分の制限時間内で、刑事は無実の証明を迫られる。

すべてが予測可能の域を出ないシナリオ

 なのだそうな(投げやり)なんで私がこんなに投げやりなのかと言いますと、話の展開のほぼすべてが予測可能でなんの面白味もなく、ツッコミどころ満載だからです。

 

 あのさ、AIを使った裁判によって犯罪率が68%減少しているという最初の説明があるのに、なんでスラム街とかあるの?というか、この場合AIに裁判を任せるのではなく、政策をAIに任せて貧困や犯罪を解消するのが筋だよね?もうこの時点で萎える。

 

 で、物語が始まるんだけど、クリス・プラット演じる刑事のクリスが、妻を殺した容疑で裁判にかけられる。どうもこの人、AIによる裁判(マーシー裁判)を支持する側の人間らしく、まさか自分が当事者になってしまうとは!(白目)みたいな状況になる。

ちっともリアルタイムではない残り時間

 ご丁寧に、彼に嫌疑がかけられる十分な状況証拠と、彼の抱えている問題(アル中で妻と不仲)もあり、観客も彼が殺害したのではと思わせはする。そして、彼の有罪が決定するまで残り時間1時間30分。この映画の上映時間が100分で、ほぼリアルタイムに進行させることで物語の推進力を上げる狙いがあるのは分かる。

 

 だが、この1時間30分がちっともリアルタイムではなく、しかも画面に常に表示させ、完全にリアルタイム進行にした方がサスペンス要素が高まっただろうにしないという体たらく。

人としてはアレだが、刑事としては優秀なクリス

 クリスはかなりどうしようもない奴ではあるが、刑事としての能力は確かなものなので、AIとは違う「勘」を頼りに捜査を進め、次第に犯人の目星をつけていく。

 

 で、犯人はもちろん画面に登場している誰かなのでもちろん見つかるし、終盤になりカーチェイスシーン等があったりする。ここで見ていてイラッとする箇所があって、「スパイクストライプ(車止めスパイク)のようなタイヤをパンクさせる装置とかあるだろ近未来なんだから!」と、突っ込まざるを得ませんでしたね。

 

 なんとか真犯人を無傷で捕獲し、犯行の動機を問いただしてそこからさらに今回の騒動の元凶も見つかって一件落着。「人もAIも間違いを犯す(ドヤァ)」とクリスが言って映画終了。

既視感(デジャヴュ)の正体

 …見ている最中嫌な既視感(デジャヴュ)があったんですよね。主人公が部屋に閉じこもり、ネットを駆使して事態の収拾に努める展開、見たことあるなと思っていたら去年のラジー賞5部門も受賞した「ウォー・オブ・ザ・ワールド」とおんなじで、調べてみたらこの映画の監督「ティムール・ベクマンベトフ」が制作に関わっているのがわかり、腑に落ちました。

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 彼、「search」という、ストーリーの全てがパソコンの画面上で展開され(「screenlife」スタイルと言うのだそうな)あの作品にも制作として関わっていて、お前何回コスんねん!と、ここでも突っ込まざるを得ません。

こうすればよかったのでは?

 「AIによる統治」をテーマにすれば、こんな小品ではなく、もっと今日的でかっちりとした内容や展開が出来たはずです。たとえばすべてがデジタルで監視・管理された世界「汎システム化」をテーマにするとか。

何故か高い観客評価

 案の定ロッテントマトスコアは、批評家25%(壊滅的)ポップコーンメーターは何故か82%(!?)この評価は、ちょっと観客の見る目に問題ありと言わざるを得ませんね。まあ物語の推進力は高かったのが効いたのでしょうか。

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