イギリスを舞台にした、13歳によるフェミサイド(女性を狙った殺人)と、その後を描いたドラマ。
全4エピソードからなる本作ですが、ワンカットで撮影されていて、さながらドキュメンタリーの様な趣。
まずエピソード1が凄くて、これだけでも一本の短編映画として成立します。
話のキモは「誰が犯人なのか?」とかでは全然なくて、エピソード1で犯人は確定します。問題は犯行の動機で、SNSにおける「マノスフィア」によって増幅され歪まされた有害な男性性が相まって、13歳の少年ジェイミーは犯行に及んでしまう。
「インセル」って呼び名私は好きではないのですが、加害者のジェイミーに関してはそう呼ばざるを得ない。
エピソード「3」の臨床心理士との会話で彼の人となりが分かるのですが、別に容姿が劣っている訳でも無いのに自分の顔が醜いと思っている自己肯定感の低さ、馬鹿にされたり傷つけられたと「思い込んだ」プライドをなんとか手当しようと怒りで誤魔化そうとする。
大きい音を立てたり威嚇したり等、見ていて痛々しいほど彼の有害な男性性は内面化してしまっている。しかも、本当にどうしようもないことに、彼「人が死んだ」重みをまったく理解していない。
そしてラストエピソードの「4」ですが、これがもう本当にキツくて、殺人事件の加害者家族がどういった目に遭うのか、そしてデジタルタトゥーによって転居しても、どこにいっても嫌がらせの標的にされるという生き地獄が描かれる。製作者の意地の悪さが発揮されて、父親の誕生日にジェイミーから容疑を認める電話が来るとかさー…
ちなみにジェイミー役の吹き替えだけど、私の耳が確かなら、「ザ・ボーイズ」で有害な男性性を発揮しない「ヒューイ」役が声をあてている様に感じた(実際には熊谷俊輝が担当)のはなんとも皮肉だ。