ちりあくたのつぶやき

当ブログでは、コンテンツの構成や推敲にAI(人工知能)を使用している場合があります。

映画「KCIA 南山の部長たち」

 「朴正煕暗殺事件」を基にしたポリティカルスリラー映画です。

youtu.be

 筋立てとしては、朴正煕暗殺事件が起こるまでの顛末を、主人公であるKCIA部長のキムの目を通して描かれる。

 

 主要登場人物は以下の通り

・キム:KCIA部長

・パク:韓国大統領

・パク・ヨンガク(以下まぎらわしいのでヨンガク):元KCIA部長

・クァク:大統領警護室長

ここらへんを抑えておけばこの映画はわかります。

 

 で、まず冒頭キムがパクの宴会場に入り銃声が響き渡り、いったい何事かと観客は思う。そして時は遡り、元KCIA部長のヨンガクがアメリカでパク政権の腐敗を告発しているシーンに移る。

 

 一見正義感に駆られての行為に見えるが、後でわかるように完全にヨンガクの自己保身の為だったりする。ヨンガクは回顧録をキムに渡すが、大統領の秘密口座を管理する真の右腕「イアーゴ」という男がいることを忠告する

 

 このヨンガクを巡って争奪戦めいた感じになるので、まるでヨンガクが「お宝」みたいに見えてしまう。

 

 そして中盤にヨンガクは暗殺されてしまう。誰の手によってか、それはなんとかつて革命の同志として闘ったキムによって!ヨンガクが殺される寸前、靴が脱げるという描写が出て来るのですが、これはどうやら弱さを表しているらしく、終盤の伏線でもある。

 

 で、ヨンガクを殺してパク大統領もこれで安心だろうと思っていたら、パクは既にヨンガクのことなどどうてもよくて、ヨンガクが持っている金のことしか頭にない。

 

 18年の長きにわたり権力の座に君臨し続け、革命の志があったんだかどうだかわからないけれど、そのころとはすっかりかけ離れたどうしようもない奴であることがキムにはやっと自覚される。その前まで妄信とも言えるほどパクに忠誠を尽くして来たけど、キムもまた忠誠を誓う対象を間違っている訳だ。

 

 本当は「公」に忠を尽くし、国民の為に振舞うべきだったのに…

 

 大統領警護室長のクァクだけど、こいつとキムとのやりとりはかなりむきだしの権力闘争になっていると同時に、パクを巡ってある種同性愛者同士のパートナーの取り合いに見えなくも無かったです。

 

 「私を裏切ってあいつ(クァク)の元に転がり込んで!」みたいな嫉妬をキムには感じます。宴会に忍び込み、盗聴を試みてパクの心が自分から離れているのを確認、その後国の為を想うという大義名分を盾に大統領暗殺という犯行にいたるのも、なんか無理心中っぽく見えなくもない。

 

 パクもクァクも無事(?)キムによって殺され、どこに行けばいいのか迷うキム。そこで彼の片方の靴が脱げている。パクを殺してしまったことにより、一蓮托生だったキムも権力を失うという描写な訳だ。

 

 そして終盤も終盤、「イアーゴ」の正体が明かされるのだが、それがあの「粛軍クーデター」の首謀者でスーパー胸糞野郎「全斗煥(役名は全斗光)」で、映画「ソウルの春」の片方の主人公だったりする。だから「KCIA…」→「ソウル…」の順番で見るといいかもしれませんね。

entanglement26.hateblo.jp

 「映画で学ぶ韓国の近現代史シリーズ」と勝手に命名してしまうくらい、韓国映画は自国の近現代史をしっかりと映画化していて羨ましいです。理由は明白で、次の世代にその時何が起こったのか、それをざっくりとでもいいから教える為。こういった映画をきっかけにして自国の近現代史を深堀する人も出て来るでしょう。日本はほとんどこれをやらない!出来るしおそらく需要はあると思うので、誰か名乗りを挙げて欲しいところですね。