ちりあくたのつぶやき

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「それではコイントスと同じではないか!」 映画「ハウス・オブ・ダイナマイト」感想(ネタバレありです!)

 キャスリン・ビグロー監督によるスリラー映画です。ある日のアメリカで、発射元が不明の核ミサイルがあと19分でアメリカ本土(厳密にはシカゴ)に着弾することが確定している(!)という状況が、多視点で描写されます。

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 普通のアメリカ映画であれば、Netflixの紹介画像で表示されている、オリヴィア・ウォーカー海軍大佐(レベッカ・ファーガソン)が活躍してミサイルは迎撃されてアメリカに着弾はせず、黒幕が判明して反転攻勢して事態は解決とかいう結末になると思います。

 

 でも、本作は展開にひねりが効かせてあって、このブログの冒頭でも説明した様に核ミサイルが着弾するという事態は回避できないというシチュエーションになっている。

 

 もちろんその前に迎撃ミサイルが発射され(ここが通常のアメリカ映画でいうところの「反転攻勢シーン」)るも、その迎撃確率はなんと「61%」(!)なので迎撃には失敗する。

 

 「それではコイントスと同じではないか!」と、劇中で政府高官が叫ぶのも納得の馬鹿らしさ。さらに劇中のたとえで言えば「弾丸で弾丸を撃つようなもの」であると。巨額の軍事費を投じてもそんなものなのだそうな。

 

 オリヴィアのシーンが終わると、今度は国家安全保障問題担当大統領副補佐官ジェイク・バリントン(ガブリエル・バッソ)の視点に代わり、彼が各国のどこからかミサイルが撃たれたのではないかを確認する為に鬼電する。

 

 ここまで見ていると、大統領がいわゆる「サウンドオンリー」状態になっていて、通信の環境からか顔が見えない。

 

 で、ジェイクの視点での話が終わり、最後に大統領(名前が無い!)の視点で事態が描かれる。大統領を演じるのはイドリス・エルバなんだけど、この人別の映画「ヘッド・オブ・ステイト」では英国首相を演じていて節操が無いなと(なお、この作品はロッテントマト評価が微妙なので未見)。

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 緊迫感はすごいある映画だと思います。監督がこの映画を製作した目的も明確だと思っていて、タイトルにもある通り、世界各国が多くの核ミサイルを保有している状況を文字通り「ハウス・オブ・ダイナマイト」であると表現し、ある日この映画みたいにどこかの国、または国じゃなくてもなんらかの手違いで意図せざる結果として仮に核ミサイルがアメリカに着弾したとしたら、それはもうとんでもないことになるんだと。つまり反核のメッセージ。

 

 なんだろう、シミュレーションみたいな内容の映画なんですよね。にている作品だと、世界的なパンデミックが起きた場合を専門家が関わってシミュレーションした、「コンテイジョン」にテイストは近い。キャスリン・ビグローは本作の制作にあたり、関係者へのインタビューや専門家へのリサーチを積極的に行ったというところも似ている。

コンテイジョン(吹替版)

コンテイジョン(吹替版)

  • マット・デイモン
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「ハウス・オブ・ダイナマイト」ロッテントマト評価ですが、批評家もオーディエンスも80くらいの微妙な感じです。

www.rottentomatoes.com

 微妙な評価の理由を推測しますと、おそらくはほとんどの視聴者もしくは観客はアメリカ人だと思うので、そりゃ自分が住んでいる国に核が落とされたら嫌だろうなと言うのと、すごく暗い欲望なのかはたまた男性的な感覚なのか分かりませんが、「核が着弾してキノコ雲が上がり、世界がめちゃくちゃになるところが見たかった」と残念がっている批評家やオーディエンスがいたのではないかと。私もまたその一人だったりしますが…😅

 

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