ちりあくたのつぶやき

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【ネタバレ考察】映画「ふつうの子ども」|宇多丸ベスト3位の衝撃!環境テロと初恋の結末がヤバい

 ライムスターの宇多丸さんが、2025年の映画ランキングベスト10のうち、第3位に挙げていたので視聴。あまり邦画は見ないのですが、それほど上位にランクインしているので気になっていました。物凄くざっくり言うと、子供がいたずらをしてそれがバレて怒られて反省する話です(ざっくりし過ぎw)。単純に子供たちの挙動が可愛いというか、微笑ましい気分にさせてくれましたね。なんかYoutubeの動物ハプニング動画集みたいで(ヒドイw)。

youtu.be

 主人公はなんと、小学4年生の子ども上田唯士くん(以下唯士くん)。この子がクラスの同級生三宅心愛(心愛ちゃん)のことが気になっていて、彼女が地球環境問題について高い関心を持っている。話のきっかけをつかむという、ただそれだけの為に唯士くんも環境問題に興味があるふりをして心愛ちゃんに近づくのだが…といったところが序盤。

 

 そこにクラスの問題児橋本陽斗(陽斗くん)が加わって、彼の提案で町のあちこちに環境問題に言及する張り紙を貼ったりする。心愛ちゃんが陽斗くんを仲間に引き入れたのは、彼のことが気になっているからという、三角関係になっている。

 

 誰も住まなくなった家をアジトとして、心愛ちゃんは活動にのめり込むが、いつの間にか活動すること自体が自己目的化していき、最終的にはロケット花火を店に打ち込んだり(ここらへん、唯士くんに「それって二酸化炭素出ない?」と突っ込まれる)、挙句の果てには二酸化炭素を多く排出している牛を牛舎から逃がすという「テロ行為」に及ぶという、ここらへん行き過ぎた環境保護活動の戯画化になっていたりする。

 

 唯士くん視点からすると、ある種ノワール的な展開で、心愛ちゃんという「ファムファタル」によって愚かな男である唯士くんがとんでもないことをしでかしてしまうという話ではある。心愛ちゃん視点だと、環境問題に興味を持ったのはいいが、それほど深みのある知識が無いし結局子供でしかないので、浅薄な振る舞いに及ぶ。

 

 陽斗くんのキャラ造形がひどいと言うか、この子おそらく成長したらチャラ男になるんだろうなという感じがして、ため息が出てきます。

 

 終盤の「保護者呼び出し」のシーンがとにかく凄くて、唯士くんが先生に呼び出されて会議室に入っていくと、陽斗くんが親にすがって泣いているんですよ。でもこれ絶対にウソ泣きだと思う。入った瞬間にまず一番にその光景が飛び込んで来るので、なんか「うわー、こいつ馬脚を現しやがって!」と幻滅するというより「やっぱりお前はそういう奴だよなー」って顔が無になると言いましょうか…

 

 心愛ちゃんの親も居て(出て来る保護者の3分の2は母親)、彼女の耳の後ろにタトゥーが施されているのは「普通ではない過去」という意味があるのですが、何を持って普通なのかという問いでもある。

 

 で、心愛ちゃんがまず「殻を破る」。どういうことかというと、ここで彼女がグレタさん(有名な環境保護活動家)がしゃべっていることをまんましゃべっていて、要するに「言葉の自動機械」で、中身がなかったとある種の「自白」をする。かなり決定的な中身の無さは、牛を逃がした牛舎の人のインタビューで、二酸化炭素を出さないように配慮がなされていたのが判明しちゃったりしているので。

 

 で、一番最後に唯士くんが心愛ちゃんに想いを告げることになる。実は環境保護に興味がある訳では無くて、心愛ちゃんに興味があったんだと。つまりこの物語のゴールが、実は唯士くんが心愛ちゃんに告白することだった。

 

 まとめとしては、この主要登場人物3人の将来がちょっと心配かなと思ったり。特に陽斗くん。この子はこの件でちゃんと反省していないのではないかなと思う。終盤大泣きしてはいるけど、あれはおそらくウソ泣きであの場をしのぐための方便だろうし、唯士くんは大人になったら女性で苦労しそうだし、心愛ちゃんはいわゆる「Woke(お目覚め系)」と揶揄される人生を送ってしまいそうで、私は結婚していないし子供もいないけどこちらを保護者目線にさせてしまう、不思議な魅力がある作品でしたね。