一度も会ったことがない人の葬式に行けますか? 絹田みや『友達だった人』が刺さる。

 当方あまり漫画を読まない、というかじっくり長編作品と向き合いずらくなって来たのですが(歳ですね…)、TBSラジオ「アフターシックスジャンクション2」にて取り上げられていた漫画を読んでみようと思い、購読。絹田みやという方の短編集だそうで、表題作を紹介します。

 なんか表紙だけ見るとファンタジーよりの内容なのかなと思いましたが、そういうことでは無かったです。扱うテーマといいましょうか、なんか基本的にSNSってあまりよくない、なんなら邪悪というか認知を歪ませるシロモノでしか無いというある種の偏見に対するカウンターみたいな短編でした。

 

 冒頭、主人公の女性が葬式に出席しているところから始まる。ここでは名前をSNS上の「森本さん」とします。

 

 森本さんが、「ささみさん」という人となんとなくフォロバしたのがきっかけでSNS上のみで交流しあう。だけどある日突然ささみさんは自分の余命があと1年だという投稿をアップする。

 

 その衝撃によってかえってふたりの交流の頻度が上がる。森本さんはささみさんとの交流で孤独じゃないと癒される。そこにヘルニアさんという、ささみさんと頻繁にやりとりしている人も出て来て、「いつかオフ会したいなぁ」なんていう話も出て来るのだが、躊躇してしまう森本さん。

 

 ささみさんはだんだん体調が悪くなって来ているみたいで、それをSNSの文章と絵文字の減少のみで知ることになる。

 

 そして、ささみさんの妹から姉が息を引き取ったという知らせと葬儀の案内がこれまたSNSでのみ告知される。

 

 そう、ここまでまったく実際に会ったことがない人の葬儀に出席するんですよ森本さんは!

 

 で、冒頭の葬儀のシーンに戻って終盤に入るんですけど、ここでドラマが生まれる。ここらへんの詳細はもう実際に購読してもらいたい。顔も名前も知らない人だったけど、たしかに森本さんには友達がいたこと、だからこそ喪失の悲しみも襲って来るのだと。