ちりあくたのつぶやき

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【ネタバレ感想】映画『私がビーバーになる時』レビュー|ピクサー作品なのに感じた“お行儀の良さ”の限界

 ※この記事はネタバレありです!

 

 映画『わたしがビーバーになる時』はピクサー制作のアニメーション映画。監督はダニエル・チョン。自然との共生をテーマにした作品です。

  • 公開年:2026年3月13日公開

  • 制作会社: ピクサー・アニメーション・スタジオ

  • 上映時間:104分

  • 原題: ピクサー・アニメーション・スタジオ

 

 「世界情勢鬱展開」の為に、キツイ内容ではない映画が見たくなり、あまり好意的に思っていないディズニーが関わっているアニメーション映画ですが劇場まで見に行きました。まあ製作会社はピクサーなのですけどね。いちばん早い上映時間に行ったのに、「親子連れトラップ」に引っ掛かりました(客席はほぼ満員)。やはりピクサーはここらへん強いというか親子で見る作品としては固いというか、間違いが無いとみなさん見做しているんでしょうね。

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 ↓ロッテントマトスコアは批評家・オーディエンススコア共に高い(何故?)

www.rottentomatoes.com

 基本的には、子供向けの「自然との共生」をテーマにした作品です。

 

 であるが故に本作の限界、そしてディズニーはおろかピクサーまでも抱えているある制約というか、「お行儀のよさ」が悪い意味で出てしまっているのではと感じました。

 

 まず、主人公のメイベル・タナカ(声:芳根京子)のキャラクター造形だけど、ちょっと髪の毛がボサボサであまりにも身だしなみに問題があるのでは無いかと思いましたが、これは明らかに「ルッキズム(見た目重視社会)」への「配慮」が感じられました。あとちょっとADHD入ってる気もしました。

 

 それと、テーマには関係ないにしろ、彼女の友達は出て来ず(いないとしか思えませんが)、シングルマザーと思しき母親(声のみ)や、本筋とは関係無いノイズだからなんだろうけど恋愛要素、というか同年代の男性はオミットされているとしか言いようがない。

 

 話の大筋は、映画のタイトル通り自然大好きのメイベルが、祖母と幼少期を過ごしたビーバーのいる空き地が、市長ジェリー・ジェネラッツォ(声:渡部篤郎)によって道路に開発されるのを阻止するために、彼女が通っている大学のサマンサ “サム”・フェアファックス博士(声:高島雅羅)が密かに開発していた「意識転送装置」でロボットのビーバーに意識を移し、ビーバー達へ開発を知らせてその計画を阻止しようというもの。

 

 この、ビーバー達自然界の動物とのやりとりが本作のウリで、確かにかわいらしいし楽しいっちゃ楽しいんだけど、と同時に自然界の「掟」もしっかりと描写していて、ここらへんは「野生の島のロズ」の様な異なる生き物同士が共生するというある種の「綺麗ごと」を否定している。

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 市長が悪役で、彼をなんとかして懲らしめ改心させてハッピーエンドかな?みたいな観客の思惑を外す展開はあって、どちらかというと「自然界からのカウンター」ではあるのだけれど、ディープエコロジストというか極左によるテロっぽくも感じてしまう。

 

 監督のダニエル・チョンへのインタビューだと、「平成狸合戦ぽんぽこ」の影響を受けているのだそうなので、さもありなんといった感じ。

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 私的には、動物側からの反撃が、ちょっと「もののけ姫」みたいに感じたし、最後カタストロフが起こりかけるも、「水による浄化」みたいな決着の仕方まで、なんか宮崎駿作品の影響を感じなくも無かったりしました。

 

 本作の限界は明白で、「絶対に興行成績を上げることが命題になっている、子供向けの、いろんなところに気を使った炎上しない様に制作されている点(作品内では火事起こっていますがw)」

 

 この難点は、「ズートピア2」にも言える点で、「企画会議の様子が透けて見える」ところも同じ。

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 対象年齢としては、6歳くらいの子供向けで、10歳になってしまえば本作の矛盾は指摘されてしまう。「この動物達って、どこまでいっても人間が考えたキャラクターでしか無いよね?」「なんか人間いらなくね?他の動物にとって害でしかないよね?」「あの意識転送は市長が行うべきでは?」って。

 

 全体の結論として、無難さが足を引っ張っている、昨今のディズニー・ピクサーが見せる迷走がほの見えてしまっていましたね。