ちりあくたのつぶやき

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『宮台式人類学』から読み解く映画『ロスト・チルドレン: アマゾン密林を生き延びて』なぜ近代装備ではなく「なりきり」で子供は見つかったのか?

 コロンビアで起きた飛行機墜落事故によって、行方不明になった子供たちを救出する40日間の顛末を記録したドキュメンタリーです。でも、これは単なるサバイバル映画では無かったですね。

youtu.be

 ロッテントマトスコアは、批評家評価は無しで、ポップコーンメーター(観客評価)は88%と高いですね。

www.rottentomatoes.com

 大まかな内容はそんなに複雑では無いです。タイトル通り、ジャングルに飛行機が墜落して子供以外の乗客が全員死亡(捜索隊の発見で判明)。で、どうやら子供は無事でジャングルをさまよっているから見つけ出そうというのがあらまし。テーマがあるとすれば、「この世には科学で説明できなものがある」なんだけど、このドキュメンタリーを見る前だとちょっとベタに感じてしまいますね。

 

 コロンビアの特殊部隊が派遣されたり、地元の住民も捜索をする。地元の住民の中にはボランティアで参加している人もいて、その人は過去に罪を犯し、なんか子供という無垢なる存在を救うことで自分の魂も救おうとしている雰囲気がある。

 

 特殊部隊が最初、近代的な装備や方法で捜索をするのだけれど、GPSのコンパスが狂いだしたりして全然上手くいかない。

 

 そして中盤過ぎで、地元の住民のやり方に特殊部隊が従うことになる。これが安っぽいエンタメ映画だったりしたらどうなっただろう。特殊部隊が近代的装備で捜索するのを地元の住民が邪魔して捜索が難航するとかありそうだなと思いましたね。

 

 住民の一人が、「ジャングルにはドゥエンテ(怪物)がいる」という。ジャングルにはそういった存在がいると「感じられる」のだそうな。こんなことを書いていると、雑誌「ムー(まだあるのかな?)」で取り上げられそうな、スピリチュアルやオカルトめいた話なのかなと思いがちですが、後半になって捜索が行き詰まり、最終手段として地元のシャーマン(!)が「ヤゲ(アヤワスカという、植物を原料とした幻覚剤)を使う」と言う。

 

 どうも、その地域での核兵器に匹敵する方法らしい。ここで事前にこの映画の解説というか、この映画を見ることになるそもそものきっかけとなった本を紹介すると、宮台真司の著作「宮台式人類学 ー前提を遡る思考」で取り上げられていたからなんですけど、そこで「taking seriously(なりきり)」という言葉と共に本作が紹介されていました。

 

 ↓まだ読んでいる最中なので、読み終わったら感想書きますね!

 この「なりきり」は、ヤゲを使うことで、ジャングルにいるジャガーに「なりきり」子供たちを見つけようということなんだけど、近代文明にどっぷり使った私や、カソリックの特殊部隊の隊長にも真似できない方法。

 

 「午後3時に子供は見つかる」というシャーマンのお告げとおり、本当に子供は見つかる。そこまでにかかった日数は40日にもなる。文字通り奇跡的な生還。

 

 生還して回復した子供に、どうやって生き延びたのかインタビューがあり、母親に教えてもらった食べられる果実や、釣竿を自作して魚を釣って生で食べたりしたそうな。

 

 「土地には霊が宿っている」「土地にはその土地独自の方法がある」等、どうしても見ている大半の人が半笑いになってしまいそうな言説なんだけど、実際にそのとおりに行った結果がすべてを物語っているので、半笑いで冷笑されているのは近代文明人なんじゃないの?この実際に起きた出来事を「taking seriously(真剣に受け止めろ)」って、カウンターを当てられた気がしました。

 

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