ちりあくたのつぶやき

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【感想】映画『クライム101』配信早すぎ?劇場公開から1ヶ月半でアマプラへ。3人の主人公が殻を破る瞬間(ネタバレあり)

 ※この記事はネタバレありです!

 

 クリス・ヘムズワース主演のクライムスリラー映画。ドン・ウィンズロウによる2020年の中篇集『壊れた世界の者たちよ』に収録された同名小説が原作。監督・脚本はドキュメンタリー畑出身のバート・レイトン。

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クライム101

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  • クリス・ヘムズワース
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最初の印象、というか読みが外れる展開

 なんでしょうね、見る前はクリス・ヘムズワース演じる宝石強盗マイク・デーヴィスの話を軸にすると読んでいたのですが、なんか主人公が3人いる感じ。

 

 マイクを追う刑事ルー・ルーベスニック(マーク・ラファロ)と、長いキャリアを持ちながら不本意な位置に甘んじている保険会社勤務のシャロン・クームズ(ハル・ベリー)の話って、本来ならサイドプロット程度の扱いなんですけど、本作はこの3人の話が並行して描かれる。

3人の主人公

 話の進行と共に3人それぞれのプロフィールが明かされ、マイクは幼少期を貧民街で育ったが故に犯罪の世界に身を投じることになり、極度なまでに人と関わらない様に生きてきた。

 

 刑事のルーは、昔かたぎの性質で、融通が利かないが故に出世コースから外れ、ストーリーの途中で妻の浮気が発覚して独り身(プラス猫一匹)になる。

 

 保険会社勤めのシャロンだけど、エイジズムといわゆる「ガラスの天井」故に、キャリアアップ出来ず不本意な位置に就いているが故に不眠に悩まされている。

 

 そこに、マイクの恋人マヤ(モニカ・バルバロ)や、マイクのライバルとなるキャラオーマン(バリー・コーガン)が絡んで来る。

 

オーマンとマヤ、主人公との関係性

 オーマンのキャラクター造形ですが、盗む相手を傷つけず、スマートに強盗するマイクと笑ってしまうほど対照的で、人は殴るわ器物は破壊するわ、盗む予定の無いブツまでついでに盗む計画性の無さで、「ソルトバーン」でサイコな演技が光ったバリー・コーガンがハマっていましたね!

 

 マヤだけど、彼女との偶然の出会いでマイクは日の当たる世界に行けるのではという希望。ここでマヤとオーマンがマイクにとってどういう関係性なのかを描写するシーンがあって、マイクはその生い立ち故にマヤと上手く目を合わせられないんだけど、オーマンと邂逅するシーンではきっちりとお互いに目を合わせている。同族だから。

「殻を破る」3人

 マイク、ルー、シャロンは自分が所属している業界の腐敗にうんざりしていて、終盤になってそれぞれ「殻を破る」

 

 まず、シャロンが男の上司に対してブチ切れて、言いたいことを言い放ち若い女性社員に対してキツイアドバイスを言い残して会社を辞める。

 

 そして、ルー。銀行強盗を誤射した同僚のミスをもみ消す体質を目の当たりにして彼はなんと「宝石泥棒」をする。

 

 で、マイクだけど、これで最後と決めた仕事で、今まで誰も傷つけないと自分に課していたルールを破り、刑事のルーを守るために(!)オーマンを射殺してしまう。

 

 ここの、マイクとルー、オーマンの関係性だけど、この3人はおそらく境遇が同じで、犯罪者としての自分を殺すという非常にメタ的なシーンだと思う。

 

 ここから、マイクとルーがなんとお互いに「助け合う」んですよ!どう助け合うかは流石に実際に本作を見てもらいたい。小説は未読だけれど、たぶんこの「壊れた世界」で同じ思いを抱いているからこそふたりは助け合ったのだと感じましたね。

3人のその後

 最後、マヤに振られたマイクが、犯罪の世界から抜け出し、マヤとやり直せるのかなという予感になり、ルーはマイクからの「贈り物」を受け取り、シャロンはルーが盗んだ「贈り物」を受け取り、それぞれ新しい人生を送るのだろうというところで映画が終わる。

時代の流れを感じる配信スピード

 いい作品だとは思います。ですがちょっと冗長な感じがしました。それと、本作の日本公開が2026年2月13日、Amazonプライムビデオで配信が開始されたのが2026年4月1日で、あまりにも配信が早い。普通早くても3ヶ月経過後なんですけど、調べてみると現代の映画配給トレンドに沿ったタイミングなのだそうな。監督や俳優たちは、劇場体験を重視したかったそうですが、これも時代の流れなんでしょうね。

 

 ロッテントマトスコアは批評家オーディエンス共かなりいい。現在批評家89%前後(Certified Fresh)、観客85%前後と高評価。見て損はないという評価ですね。

www.rottentomatoes.com

「ぼくが考えた『くらいむわんおーわん』」

 余談ですが、代替案というか、どっちかというとシャロンを主人公にして彼女が盗みを働き自分が冷遇されていた保険会社に対して強烈なカウンターをお見舞いするという流れの方がカタルシスがあったのではないかと。

 

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