※この記事はネタバレありです!
真鍋昌平原作漫画を、Netflixがまさかのドラマ化。主演柳楽優弥。

- 原作と比較した、烏丸の役割の変化
- レギュラーメンバーとこの事件の加害者の登場
- 九条の本領発揮
- 視聴者に対する告知と「教育」
- 有罪か無罪のグレーゾーン、「陪審員2番」
- 原作の改悪(だと私は思っているぬるい描写)
- 柳楽優弥の完璧な演技
原作と比較した、烏丸の役割の変化
この記事では第1話「片足の値段」を原作と比較して解説します。
まず、九条の元で働く「イソベン(居候の弁護士)」烏丸真司(松村北斗)だけど、原作では既に九条の事務所で働いているのですが、ドラマ版では九条に会うという形になっている。
つまりここは烏丸は視聴者であり、彼の眼を通して作品世界に入っていくという訳。法律の解説役も烏丸が務めているのはわかりやすい。
レギュラーメンバーとこの事件の加害者の登場
で、事件が起きて反グレのリーダー壬生憲剛(町田啓太)が九条に依頼して来る箇所は同じなんだけど、原作では加害者が人を轢いてしまった恐怖で打ち震えているのに対して、「あー、やっちゃったー、どうししょうかなー。あ、そうだ!壬生君にお願いしよう」くらいの、本当にどうしようもないキャラクター造形になっているのはいい(ヒドイけど)
九条の本領発揮
そしてここからが九条の本領発揮のシーンで、彼は「とにかく20日間完黙するように」と告げ、「依頼人の人権を守るために」全力を尽くして彼を執行猶予つきの禁固刑、つまり実質的な無罪を勝ち取る。
視聴者に対する告知と「教育」
この第1話でこれからはっきりと、どういう話をしていくのかを明確に示している。寓意は「法律なんて所詮人の作り上げたもので、いくらでも抜け道があり、不条理や理不尽は決して無くなりはしない」というもの。
それを、こちらに疑似体験させ痛みを与え、現実に対する認識を変容させるという「教育」を読者は受ける訳だ。
有罪か無罪のグレーゾーン、「陪審員2番」
たしかに、飲酒運転による危険運転致死なんだけど、事件現場を調べると二人の被害者(父と息子)のうち、父親の方は実は心臓に疾患があった為に心臓発作で倒れ、その後で車が可能性がある。ここの「心臓疾患のグレーゾーンが被害者の死亡原因になる可能性を巡る法廷議論」というグレーゾーンに関しては、クリント・イーストウッド監督の傑作「陪審員2番」でも似たような言及がされている。
原作の改悪(だと私は思っているぬるい描写)
原作と違って、はっきり言ってぬるい改変箇所が後半にあり、轢き逃げで生き残った息子(片足を切断されている!)と母親に対して、NPO法人のソーシャルワーカー薬師前仁美(池田エライザ)が九条から母子に保険の再申請をするように取り計らう箇所。
この救済描写は、原作が持っていた“観る側を突き放す冷酷さ”を弱めてしまっているため、テーマの鋭さを損ねているように感じる。もっと見る物を突き放していいと思いましたね。母親は原作では涙を流すシーンは見せず、憔悴と怒り・悔しさ・無念と悲しみが混じった様ななんとも形容しがたい表情で終わった方がよかった。
おそらくは原作の突き放す冷酷さを弱め、視聴者への感情的救済を優先した判断なのでしょうけど、せっかく地上波ではなくNetflixで配信するのだから、こちらの背筋を凍らせたままでよかったかなと。
柳楽優弥の完璧な演技
九条役の柳楽優弥は完璧に仕事をこなしていました。彼が画面のこちらに向かって冷笑や挑発的な言動とかしたらどうしようかと思っていましたが、そんなことはなく淡々と九条を演じ切り、九条というキャラクターを完全に理解しているのがわかる。
↓ランキングに参加しているので、クリックお願いします!
