※この記事はネタバレありです!
監督:バズ・ラーマン
主演:レオナルド・ディカプリオ、クレア・デインズ

シェイクスピア原作を1996年公開当時の若者向けにスタイリッシュに翻案です。
- ある研究者の人生を変えた伝説の1作
- 原作に忠実ながら、現代風な意匠がこらされている
- 現実のブランド会社を対立させることで緊張感を与える
- クィアなキャラクター、マキューシオ
- 眩いばかりにほとばしる、イケメン期のディカプリオのルックス
ある研究者の人生を変えた伝説の1作
この映画を見るきっかけになったのはシェイクスピア研究家であり批評家の北村紗衣という方の書いた「学校では教えてくれないシェイクスピア」を読んだからで、一人の研究者の人生を変えた伝説の1作を、今あえて見返してみました。
著者である北村さんが、このディカプリオ版ロミジュリを見たことが原因となってシェイクスピア研究の道を選んだのだそうな。
原作に忠実ながら、現代風な意匠がこらされている
セリフ回しはおそらくは原作に準拠していると思っていて、舞台はメキシコでありながら、どこか現実の重力から切り離されたマフィアの寓話世界のよう。だからこそ、350年前のシェイクスピアの台詞回しが、ネオンサインと銃弾の飛び交う空間に奇跡的なほど溶け込んでいる。
通常のアメリカ映画の脚本と少々違い、どうやら登場人物の感情を加速させることで物語の推進力を上げている。演劇やミュージカル、古典文学はみなそうらしいです。そこに、MTV風のビジュアル(音楽はレディオヘッドやカーディガンズ、ガービッジ)と衣装で観客を飽きさせないからすごくとっつきやすかったです。
現実のブランド会社を対立させることで緊張感を与える
衣装のベースになっているプラダやドルチェ&ガッバーナ(衣装デザイナーであるキム・バレットさんの功績ですね!)だけど、調べるとどうやら当時(今も?)現実世界で激しく対立していたらしく、それがメタ的な効果も醸し出している模様。以下にどんな感じで対立しているのか記します。
プラダ(モンタギュー家側):
ミウッチャ・プラダが提唱した「ミニマリズム」や、あえて王道の美しさを外す「アグリー・シック(醜いからこそクール)」の先駆者でした。知的で、抑制されていて、工業用ナイロンを使うような無機質でクリーンなスタイルです。

ドルチェ&ガッバーナ(キャピュレット家側):
真逆の「マキシマリズム(過剰主義)」を突き進んでいました。シチリアの伝統、バロック調の過度な装飾、レオパード(豹)柄、コルセット、そして剥き出しのセクシャリティ(エロティシズム)。富と肉体を誇示する、ド派手でグラマラスなスタイルです。

クィアなキャラクター、マキューシオ
あと私が気になったのは、マキューシオというキャラクターで、なんかドラァグクイーンっぽい衣装を着たり、ロミオに対する態度に違和感を感じていましたけど、原作でもロミオに想いを寄せているのだそうですね。この翻案の仕方は今日的と言いましょうか(30年前の映画ですが)
あと、シェイクスピア劇は英語の発音が特徴的だというので、今回字幕で視聴したのですが、そこらへんはポップなテイストを優先したためにオミットした模様。
眩いばかりにほとばしる、イケメン期のディカプリオのルックス
本作の醍醐味というか最大のウリだと私が思っているのは、「イケメン期」のディカプリオ。なんというか、当時のディカプリオの美貌は、もはやスクリーンの発光そのもの。一瞬を切り取るだけで完璧なCMとして成立してしまうほどの『過剰な引力』が、この映画のすべての狂気を正当化している。
彼はこの映画で銀熊賞を受賞したそうだけど、あまりにもそのイケメン力(ぢから)が強すぎるためか、みんなそこに惹きつけられた結果なんじゃないの?と勘繰りたくなるくらい有無を言わせない。
映像の一部を切り取ってCMとして使用しても全然通用してしまうので、ブサメンの身であるこちらとしては「ムキー!」とうなるしかないのですが…
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